2020年は日本の水墨画の基礎を築いた「雪舟」の生誕600年にあたります。
室町時代、西国一の大大名大内氏のもとに長く滞在し、ここ山口市において数多くの名作を描き続けた「雪舟」。常栄寺雪舟庭も作庭したと伝えられています。「雪舟」生誕600年記念の今年は、さまざまなイベントを実施予定です。傑作が生み出された山口市で、是非「雪舟」を感じて下さい。
雪舟は室町時代に活動した画家・禅僧です。
備中宝福寺(岡山県総社市)での小僧時代、涙で鼠を描いた逸話は有名です。
雪舟が山口に初めて来たのは、30歳半ばのころ。大内教弘の時代、大内氏の遣明船で明(中国)に渡るため山口を訪れました。
1467年には、大内氏の遣明船団の一員として明に渡り、1469年に帰国。日本各地を転々とした後、1483年、再び山口に戻りました。雲谷庵を拠点とし、1506年に数え年87歳で生涯を閉じるまで、数多くの傑作を残しています。
水墨画作品の最高峰とも言われる、国宝「四季山水図」(山水長巻)も、1486年に山口で完成させたものです。
また、雪舟は作庭にも造詣が深く、常栄寺庭園「雪舟庭」、島根県益田市の医光寺や萬福寺の庭園など(ともに国指定史跡及び名勝)を作ったと伝えられています。
雲谷等益筆「雪舟等楊像」
(常栄寺蔵)